虹色のバラが咲く場所は
85話 やめないで欲しい
ボソリと聞こえたと思ったら
「っ、冷たっ」
「舞!?」
館内で買ったであろうコーラを
ふっかけられた。
(なんか前にも似たようなことあったな。
蓮のこと話してたら叩かれたこと思い出し
ちゃった)
類はすぐに女の子と私の距離を離してタオルを渡してくれる。
「これ使って」
「ありがとう」
肩とかスカートを拭く。
(この服、お気に入りだったのにな。
白い服だから目立っちゃう)
床に溢れたのは、ポケットティッシュで拭く
この騒動でかなりの人だかりができる。
「なになに?」
「なんか女の子が飲み物かけられたみたい」
「ていうか、あの子、舞ちゃんじゃない?
Rainbow Roseの」
「隣にいるのは類くん?」
「なになに、
あの2人ってデートしてるの?」
人だかりは大きくなり噂が立つようになったら私たちは終わりだ。
(久しぶりのオフなのに。
楽しみたかったのに。)
惨めな自分が嫌で目立つのが
恥ずかしくて蹲る。
「「舞!類!」」
人混みをかき分けて走ってきたのは蓮と雪希
「ごめん、俺が二手に分かれて映画見よう
なんて言ったから」
気持ち大きめに発せられた言葉に、周囲は
「なんだ、デートじゃなかったんだ」
「よかった。もう少しでスキャンダルになるところだった」
(良かった、誤解を生むところだった)
私は立ち上がると類は一目私を見て
「ねぇ、君、どういうつもり?」
囲まれているからか笑顔で類は言ったが
背景に般若が見えるほどその笑顔は怖かった
「な、なにがよ」
「なにじゃないよ。俺、言ったよね。連れときてるからって。舞がきたからやんわりと断ったのにしつこい上にコーラ浴びせて。
ここまでされて寛大でいられるほど、
俺は優しくないんだ。でも」
そこまでいうと振り向き私に近づいて彼女に振り返り、
「まだまだやりたいことは残ってるんだ。
このままいここにいても時間の無駄だし。
最後に一つだけ。
もうオレ達に近づかないで」
そう言うと着ていた薄手のカーディガンを
脱ぎ私にかけて微笑む。
「暑いかもしれないけど目立つより
いいでしょ?」
(同い年なのにこの包容力の違いは
なんだろう)
一瞬、惚れそうになったが慌てて内心
ブレーキをかける。
カーディガンに袖を通し、ボタンを閉める。
「ありがとう、類」
私たちは映画館を出て、ショッピングモールへ移動した。
モール内のフードコートで各々軽く昼食を
とりぐるぐると移動する。
「類ってキレるとああなるんだね」
「人目があったから抑えただけ。
あそこで雪希の時みたいにキレたら
イメージダウンしそうだし。それに」
類はそこまで言って俯いた
「それに?」
「多分、世間の方が彼女を叩いてくれると
思うから」
顔を上げた類の表情はうっすら
ニヤついていた。
(やっぱり類は類だな)
近くの服屋を通りかかり、
「ねぇ、ちょっと見ても良い?」
類と蓮に断りを入れ雪希をひっぱり服屋へ。
「ねぇ、雪希。これとかどう?」
雪希に水色のワンピースを合わせながら聞く
「え、舞。これは」
「新しい服とか興味ないのかなって」
雪希少し考えてハンガーに手を置く。
「でも、僕は・・・」
「雪希、好きなものをやめないで欲しい。
好きをして苦しんだことを知ってる、
泣いたことも。それでも私は雪希の好きな
ことをしてる時の顔が好き。幸せそうな表情は私だけじゃなくて類も蓮も心が穏やかな気がする。私たちは雪希がどんな好きをしていても否定なんてしない。ずっと、
応援するから」
ハンガーを掴む手に力が入っている気がした
「わかった。ありがとう、
これ試着してくる」
ハンガーを引ったくるように取り雪希は
試着室に早歩きで歩いていく。
(そんなに着たかったのかな)
雪の行動に微笑ましくなる。
「っ、冷たっ」
「舞!?」
館内で買ったであろうコーラを
ふっかけられた。
(なんか前にも似たようなことあったな。
蓮のこと話してたら叩かれたこと思い出し
ちゃった)
類はすぐに女の子と私の距離を離してタオルを渡してくれる。
「これ使って」
「ありがとう」
肩とかスカートを拭く。
(この服、お気に入りだったのにな。
白い服だから目立っちゃう)
床に溢れたのは、ポケットティッシュで拭く
この騒動でかなりの人だかりができる。
「なになに?」
「なんか女の子が飲み物かけられたみたい」
「ていうか、あの子、舞ちゃんじゃない?
Rainbow Roseの」
「隣にいるのは類くん?」
「なになに、
あの2人ってデートしてるの?」
人だかりは大きくなり噂が立つようになったら私たちは終わりだ。
(久しぶりのオフなのに。
楽しみたかったのに。)
惨めな自分が嫌で目立つのが
恥ずかしくて蹲る。
「「舞!類!」」
人混みをかき分けて走ってきたのは蓮と雪希
「ごめん、俺が二手に分かれて映画見よう
なんて言ったから」
気持ち大きめに発せられた言葉に、周囲は
「なんだ、デートじゃなかったんだ」
「よかった。もう少しでスキャンダルになるところだった」
(良かった、誤解を生むところだった)
私は立ち上がると類は一目私を見て
「ねぇ、君、どういうつもり?」
囲まれているからか笑顔で類は言ったが
背景に般若が見えるほどその笑顔は怖かった
「な、なにがよ」
「なにじゃないよ。俺、言ったよね。連れときてるからって。舞がきたからやんわりと断ったのにしつこい上にコーラ浴びせて。
ここまでされて寛大でいられるほど、
俺は優しくないんだ。でも」
そこまでいうと振り向き私に近づいて彼女に振り返り、
「まだまだやりたいことは残ってるんだ。
このままいここにいても時間の無駄だし。
最後に一つだけ。
もうオレ達に近づかないで」
そう言うと着ていた薄手のカーディガンを
脱ぎ私にかけて微笑む。
「暑いかもしれないけど目立つより
いいでしょ?」
(同い年なのにこの包容力の違いは
なんだろう)
一瞬、惚れそうになったが慌てて内心
ブレーキをかける。
カーディガンに袖を通し、ボタンを閉める。
「ありがとう、類」
私たちは映画館を出て、ショッピングモールへ移動した。
モール内のフードコートで各々軽く昼食を
とりぐるぐると移動する。
「類ってキレるとああなるんだね」
「人目があったから抑えただけ。
あそこで雪希の時みたいにキレたら
イメージダウンしそうだし。それに」
類はそこまで言って俯いた
「それに?」
「多分、世間の方が彼女を叩いてくれると
思うから」
顔を上げた類の表情はうっすら
ニヤついていた。
(やっぱり類は類だな)
近くの服屋を通りかかり、
「ねぇ、ちょっと見ても良い?」
類と蓮に断りを入れ雪希をひっぱり服屋へ。
「ねぇ、雪希。これとかどう?」
雪希に水色のワンピースを合わせながら聞く
「え、舞。これは」
「新しい服とか興味ないのかなって」
雪希少し考えてハンガーに手を置く。
「でも、僕は・・・」
「雪希、好きなものをやめないで欲しい。
好きをして苦しんだことを知ってる、
泣いたことも。それでも私は雪希の好きな
ことをしてる時の顔が好き。幸せそうな表情は私だけじゃなくて類も蓮も心が穏やかな気がする。私たちは雪希がどんな好きをしていても否定なんてしない。ずっと、
応援するから」
ハンガーを掴む手に力が入っている気がした
「わかった。ありがとう、
これ試着してくる」
ハンガーを引ったくるように取り雪希は
試着室に早歩きで歩いていく。
(そんなに着たかったのかな)
雪の行動に微笑ましくなる。