虹色のバラが咲く場所は

9話 オーディション

私は電車を乗り継ぎ会場へ。
控え室で番号札をもらい、ピンで刺す。
(465番、465番以上の中から
選ばれたんだ)
「準備が整いましたから移動を
お願いします」
「はい」
スタッフの方から呼ばれたので移動し中に入ると、そのには12人分の椅子が
あり、背中に番号の書かれた紙が
貼ってある。

自分の番号が書かれた椅子に座る。
私が最後らしく一席空いている席に
座る。
(この中から数人だけ選ばれるんだ)
私は8番目。
そして、オーディションが始まる。

一人ひとり、PRして、歌い踊る中、
私の番が回ってきた。
「ありがとうございました。では、
次の方お願いします」
(絶対に叶えてやる)

私は席を立つ
「日比谷 舞、13歳です。
よろしくお願いします」 

面接官は私と書類を交互に見て
「では、アイドルになろうとした
きっかけを聞かせてください」
と言った。

「私には憧れたアイドルがいます。
そのアイドルがステージで歌い、
踊り輝く姿を見て、私もステージに立ちたい。そこで何が見えるのか
確かめたい、と思ったのがアイドルを志した理由で私の目標です。」

しばらく怖い顔をしていた面接官の
口は笑ったように見えた。
「ではここでパフォーマンスを
してください」
「はい」
1番好きなあの曲で踊る。

歌って踊っている時は、楽しくて嬉しくて
もっとたくさんの人に見てもらいたいと思った。
「ありがとうございました。では次の方お願いします」

私は一礼し椅子に座る。
そして全員のオーディションが終わり、
「98番、194番、465番、582番、
この4名が合格者です。
以上でオーディションを終わります」

落ちてしまった人たちは肩を落とし会場から出て行った。
私含め、4人を1人ずつゆっくりと面接官は観察して言った。

「あなた達はこれから4人のアイドル
グループとして活動してもらいます」
面接官の言葉に
「え」
「ちょっと待ってください」
「4人で、ですか」
私以外の3人はそう言った。

(確かにオーディションの広告には
ソロなんて書いてなかった)
「なら、辞退しますか」
面接官は冷めた表情で言った。
「それは」
ある1人はそう呟いた。

「私はグループでもソロでも
構いません。
いただいたチャンスを逃すことを私は
したくありません」

私の決意に他の3人は納得は言っていないようだが了承した。
(というかみんなソロデビューのつもり
だったんだ)

ちょうど大型連休中だったのでその間に寮に引っ越しと諸々の手続きをした。
家具は寮に一通り置いてあるから、
衣類、教科書、鞄など学校生活で
必要なものを整理して箱に詰め、
寮に郵送した。
(これからは電車通学か)
と揺られる電車の中で思った。
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