隠していた想いを伝える時
「んっ…!」
それは少し触れるくらいの軽いキスなんかじゃなくて、深い、深いキスで逃げられない。
押し倒されて、ぎゅっと抱きしめられて、身体も唇も離してもらえなくて…息が苦しい。
だけど槙田くんとのキスは初めてなのに、とても気持ちがよくて頭がふわふわした。
彼の飲んだブラックのコーヒーの苦味があるのに、なぜかとても甘く感じるキス。
こんなキスは初めてだった…。
「はぁ…っ、」
長い時間、ゆっくり味わうようなキスをされ、ようやく槙田くんは唇を離してくれた。
こんなキスは初めてで息が上がってしまったけど、私だけじゃなくて目の前にいる槙田くんの息も上がっていた。
「な、んで、キス…」
「相田さんのことが、好きだからだよ」
震える声で問いかけると、槙田くんは私のことをまっすぐ見て、迷いなくそう答えた。
「そんな…。冗談、だよね?」
私たち、そんなに話したこともないのに。
大学ではみんなの中心にいるような人が、私みたいな地味な女を好きだなんて、そんなの信じられないよ…。
「冗談なんかじゃない。ずっと好きだった」
槙田くんは掠れた声でそう言うと、また私の唇を塞いで、服の中に手を入れてきた。
下着は濡れてしまってつけていない。だから、槙田くんは簡単に私の素肌に触れられる。