逆ハーレム戦隊 シャドウファイブ

25 逆ハーレムナイト

 長い時間お風呂に入って身体中を洗い上げてから、黄雅さんの経営するおもちゃ屋『レモントイズ』の地下に向かう。
考えは変わらなかった。誰にどう思われようが、心も身体も私自身が一番確認したいと思っているから。

緊張して階段を下りていくと、すでにメンバーが全員揃っている。
少し高い位置から、改めて6人の男性を眺めると、やはりレベルが高すぎるイケメンぶりに、これは乙女ゲームを夢に見ているんじゃないかと錯覚する。


赤斗さんは明るくて太陽みたいで毎日を温かい気持ちで過ごせそう。

青音さんは眼鏡の奥のクールだけど探究心の強さと情熱的な瞳がとても魅力的。

黄雅さんはきっと女性をいつもお姫様のように扱ってくれるんだろうな。

緑丸さんは身も心も逞しくてきっと永遠の安堵感を与えてくれるだろう。

白亜さんはいつも小悪魔的なときめきを感じさせてくれるに違いない。

そして黒彦さんは、色々な複雑な思いをさせる。


 私に気づいたメンバーは口々に「よくきたね」「こっちだよ」「体調は?」などと声を掛けてくれる。
地下の広い練習場の片隅が白い垂れ幕で覆われている。

「そこが会場だ」

まるで案内人のように青音さんが指をさす。幕のなかを見ると、キングサイズの倍はありそうな白いベッドが置かれている。

「こ、ここで……」

ベッドを目の当たりにすると、これからのことがリアルに感じられ、足が震えてきた。

「君のために用意した」
「ありがとうございます」

ぼんやり立っていると白亜さんが前に出てきた。

「俺たちはみんな参加する。桃。怖がらなくていいからね」
「桃香ちゃんが誰を選んでも、誰も文句は言わない」

赤斗さんが白い歯を見せる。

「俺たちはみんな君が好きだよ」

黄雅さんにそういわれうっとりしてしまう。

咳払いをして黒彦さんが説明を始める。

「公平さを保つために挿入は一人15分だ」
「15×6。90分……」

体力は大丈夫だろうか。あそこも痛くなったりしないかどうか心配だ。

「桃、これ飲んで。精力剤」
「え、あ、はい」

小さなカプセルをもらう。

「これは催淫剤の改良型だ。精神には影響がないが体力の増加と潤いが持続する。人体に悪影響も勿論ない」

黒彦さんが水を渡しながら説明した。なんて凄いアイテム。これなら身体の心配はしなくていいかも。
こくりと飲んでまた説明を受ける。

「桃香には相手がわからないように、目隠しと耳栓、そして手を縛らせてもらいたい」

これも公平さを保つためだろうか。目隠し、耳栓に加え、手も縛られる。少し怖い。

「俺たちはみんなシャンプーもボディーソープも歯磨き粉も、香りを統一してきてるから分らないと思うが」

統一感が凄い。

「みんなちゃんとゴム付けているからね」
「口はふさがないから、止めてほしかったら言ってくれ。すぐにやめる」
「信じて、桃。君の嫌がることは絶対にしない」
「はい。信じています」

この信頼感がなければ絶対にできないことだった。

「じゃ、そこで服を脱いでバスケットに入れて。それから目隠しするよ」

私はベッドに腰かけ、服を脱ぎ、バスケットに入れる。メンバーは皆、紳士なので着替えをじろじろ見たりせず背を向けてくれている。

「脱ぎました」

シーツを肌にかけ、待っていると黒彦さんが目隠しを持ってくる。

「いいか?」

黒く深い瞳が私をじっと見つめる。私が頷くと、彼はすっと黒く柔らかい鉢巻のような布を目の周りに巻き付けた。もう何も見えない。

次に耳に耳栓を入れられ、そっと横たわらせられると、両手を上にあげられ、やはり柔らかい布で縛られた。もう何も聞こえなくなり手も動かせなくなった。

どうなるんだろう? 真っ暗な中でぽつんと一人、身を守る術もなく不安だけが共にある。
この不安はもしかしたら黒彦さんがいつも感じていたものに似ているんじゃないのかな、とぼんやり思っていると、ふわっと空気が動くのを感じた。
そして唇に唇が重ねられる。優しく忍び寄ってくる舌が私の口の中を這う。

「んっ」

同時に肩から指先まで撫でられる。とても優しくデリケートに扱われて安心感を得ていると、乳房を両方揉まれ始めた。小さいから恥ずかしいと思っていると、右の乳房の中心からあまい快感が走る。


さっき飲んだカプセルは本当に催淫剤ではないのだろうか。こんなに欲しいと思うなんて。身体中、触られていないところはない。髪の毛も優しく撫でられ爪先まで愛撫されている。

永遠に続くかと思った、寄せてはひく波のような快感は、やがて終焉を迎えた。
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