逆ハーレム戦隊 シャドウファイブ
28 日常
シャドウファイブが怪人の親玉を倒したと町でうわさが広がり、町のみんなは安心して毎日暮らせるようになった。
私ものんびり平和を満喫している。
早朝、太極拳の練習をしてから食事の支度にとりかかる。
「おはようございます。黒彦さん、朝ですよ」
「んんー。ん、う、ん、後5分……」
「もう!」
私は彼と一緒に暮らし始めた。黒彦さんは優しくて俺様で甘えん坊だ。
「しょうがないなあ、ほんとに5分ですよー」
低血圧な彼は朝に弱い。私も強い方ではなかったが、太極拳を始めてからか、夜、ぐっすり、朝、すっきりだ。
こういう毎朝のやり取りで一日が始まっていく。
『黒曜書店』は忙しくもなく、暇でもない。黒彦さんの亡くなったお父さん、お母さんの真似事をして私も読んだ本の感想を書いたり、
『こういう時におススメ!』などのコーナーを設けてみた。
するとやはり関心を示してくれる人がいて、そこからコミュニケーションも生まれていく。
「本を読むって一方通行じゃないんだな」
黒彦さんはそんな様子を優しく見つめてくれている。彼は書店の仕事を手早く終えた後、さっと自室にこもり何か研究をしている。
たまにメンバーが様子を見に来てくれるというか、私を誘ってくれた。
「ねえ、桃。そろそろカットにこない?」
「ああ、そうですね。バタバタしてて全然美容院にいけてませんでした」
白亜さんが私の毛先をいじる。そういう時に勘が働くのか必ず黒彦さんはやってくる。まるでシャドウファイブのメンバーが怪人を見つける速さだ。お店に監視カメラ付いていたっけ?
「何をしている」
「えー。何もしてないけどー。今月のヘアカタでも買うかなあー」
「いつも届けてやっているだろう」
「そうだっけ。まあいいや、じゃあ桃またね」
「はい。ありがとうございました」
「まったく抜け目のない」
「みんな黒彦さんを気にかけているんですよ」
白亜さんが店を出る前に投げキッスをしてくれた。黒彦さんは気づいていないようなので黙っていた方がよさそうだ。
「明日は休みだな」
「そうですね」
「また新作のアイテムを開発した。楽しみにしていろ」
「えー。またですかあ?」
「戦いがマンネリするだろう」
「ま、まあ。そうですかねえ」
ブラックシャドウとシャドウファイブの戦いは、もう本気で戦っているわけではない戦隊ごっこだが、何しろ私以外全員、元化学者たちなので本格的だった。
「あのお。ところで、戦った後、その、あの、あれってちょっと変態っぽいですよね」
「変態? 戦隊ではなくて?」
「え、ええ」
今のところお決まりのパターンになっている、ピンクシャドウがブラックシャドウにさらわれ、そのままえっちするというのは一般的にはどうなのだろうか。
「ふっ。あれぐらい大したことはない。俺が一番ノーマルだぞ」
「え? みんなの方が普通っぽい気が……」
「見た目に騙されてるな。フフッ。白亜はパイずりが好きで、赤斗は青姦趣味だし、青音はすぐごっくんさせる」
「ええっ!?」
「黄雅はセックスよりもお互いオナニーするのを見せ合うのが好きだし、緑丸は戦闘中は素手のくせに、あの時は道具を使いたがるからな」
「えええーっ!?」
「クックック。俺にしておいてよかったな」
にやにやと得意げに笑む黒彦さんはそっと私の肩を引き寄せ、唇を重ねてくる。
「んっ」
「今度はもっと強烈な媚薬を使ってやろうか?」
すでに媚薬が口に含まれているのではないのだろうかと思えるような、甘く痺れる口づけに応じる。
今度、緑丸さんのおじいさんに一番ノーマルなのはどれだろうかと相談しよう。
終
私ものんびり平和を満喫している。
早朝、太極拳の練習をしてから食事の支度にとりかかる。
「おはようございます。黒彦さん、朝ですよ」
「んんー。ん、う、ん、後5分……」
「もう!」
私は彼と一緒に暮らし始めた。黒彦さんは優しくて俺様で甘えん坊だ。
「しょうがないなあ、ほんとに5分ですよー」
低血圧な彼は朝に弱い。私も強い方ではなかったが、太極拳を始めてからか、夜、ぐっすり、朝、すっきりだ。
こういう毎朝のやり取りで一日が始まっていく。
『黒曜書店』は忙しくもなく、暇でもない。黒彦さんの亡くなったお父さん、お母さんの真似事をして私も読んだ本の感想を書いたり、
『こういう時におススメ!』などのコーナーを設けてみた。
するとやはり関心を示してくれる人がいて、そこからコミュニケーションも生まれていく。
「本を読むって一方通行じゃないんだな」
黒彦さんはそんな様子を優しく見つめてくれている。彼は書店の仕事を手早く終えた後、さっと自室にこもり何か研究をしている。
たまにメンバーが様子を見に来てくれるというか、私を誘ってくれた。
「ねえ、桃。そろそろカットにこない?」
「ああ、そうですね。バタバタしてて全然美容院にいけてませんでした」
白亜さんが私の毛先をいじる。そういう時に勘が働くのか必ず黒彦さんはやってくる。まるでシャドウファイブのメンバーが怪人を見つける速さだ。お店に監視カメラ付いていたっけ?
「何をしている」
「えー。何もしてないけどー。今月のヘアカタでも買うかなあー」
「いつも届けてやっているだろう」
「そうだっけ。まあいいや、じゃあ桃またね」
「はい。ありがとうございました」
「まったく抜け目のない」
「みんな黒彦さんを気にかけているんですよ」
白亜さんが店を出る前に投げキッスをしてくれた。黒彦さんは気づいていないようなので黙っていた方がよさそうだ。
「明日は休みだな」
「そうですね」
「また新作のアイテムを開発した。楽しみにしていろ」
「えー。またですかあ?」
「戦いがマンネリするだろう」
「ま、まあ。そうですかねえ」
ブラックシャドウとシャドウファイブの戦いは、もう本気で戦っているわけではない戦隊ごっこだが、何しろ私以外全員、元化学者たちなので本格的だった。
「あのお。ところで、戦った後、その、あの、あれってちょっと変態っぽいですよね」
「変態? 戦隊ではなくて?」
「え、ええ」
今のところお決まりのパターンになっている、ピンクシャドウがブラックシャドウにさらわれ、そのままえっちするというのは一般的にはどうなのだろうか。
「ふっ。あれぐらい大したことはない。俺が一番ノーマルだぞ」
「え? みんなの方が普通っぽい気が……」
「見た目に騙されてるな。フフッ。白亜はパイずりが好きで、赤斗は青姦趣味だし、青音はすぐごっくんさせる」
「ええっ!?」
「黄雅はセックスよりもお互いオナニーするのを見せ合うのが好きだし、緑丸は戦闘中は素手のくせに、あの時は道具を使いたがるからな」
「えええーっ!?」
「クックック。俺にしておいてよかったな」
にやにやと得意げに笑む黒彦さんはそっと私の肩を引き寄せ、唇を重ねてくる。
「んっ」
「今度はもっと強烈な媚薬を使ってやろうか?」
すでに媚薬が口に含まれているのではないのだろうかと思えるような、甘く痺れる口づけに応じる。
今度、緑丸さんのおじいさんに一番ノーマルなのはどれだろうかと相談しよう。
終