年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
それから俺はすぐに両親に縁談の話をした。許嫁と結婚するのではなく、自分でパートナーを探したいと告げた。
母親は今更そんなこと許されるはずがないとか、相手がいるのかと質問責めしてきたが、父は俺の結婚相手にそれほど拘りはないようで、好きにしたらいいと伝えてきた。
『ただし1年だ。1年のうちに籍を入れること。それが出来るのなら認める』
父は俺に早く籍を入れて欲しいと思っていた。家庭があるというのは、それだけでイメージが変わる。それが父の口癖だった。
難しい条件ではあるが、許された時間を有効に使おう。俺はそう決意した。
しかし、誰かを好きになったこともなく形だけの恋愛しかして来なかった俺は、どう彼女にアプローチすればいいのか分からなかった。
好きだからと会社を訪ねるのも失礼になるし、連絡先を知っているわけじゃない。
俺は考えた末、いっその事こと堂々と縁談を申し込むことにした。
突拍子も無いことをしているのは分かっていた。
でも、それしか俺に出来ることは無かった。