年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
縁談の返事はすぐに帰ってきた。
返事は承諾するとのこと。1年以内に結婚したい旨も伝えたが、すぐにでも結婚出来るとの返事がかえってきた。
前向きすぎる返事に正直何が起きているか分からない状況だった。
最初は、向こうも自分を気に入ってくれたのかもしれないと思ったが、あの短い時間でそんなことあるだろうかと何度も考えた。
それから冴島製鉄所の社長から、両家顔合わせの日を設定したいとまで伝えてきて俺たちの結婚はトントン拍子に進んでいった。
自分は縁談を申し込み、これから関係を築いていきたい意思表示をしたつもりだったが、まさかここまで話が進んでしまうとは……。
しかし、それも結婚してから気づいたが、冴島製鉄所側は何を勘違いしたのかこの縁談を承諾すれば、会社と手を組むという意味だと思い込んでいたようだった。
つまり彼女が俺の妻になることを承諾した理由は父の会社を守りたかったから。
それ以外は無いことを知り、俺はショックを受けると共に自分のわがままで彼女の人生を壊してしまったのだと罪悪感を持った。