年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
かわいいな。
何も考えず、このまま抱きしめてしまいたい。
漠然とそんなことを思う。
触れたい、彼女を包み込みたい。
愛おしいと思っていることを伝えたい。
自分の欲望がせり上がる。
沙織は寝室までたどりつくと、窮屈だろうと俺のシャツのボタンに手を伸ばした。
『苦しいと思うので、シャツのボタン一つだけ外しますね』
ダメだ。
耐えるんだ。
彼女に嫌な思いをさせたくないだろう。
頭の中で理性を持った自分が問いかける。
しかし、彼女が俺の鎖骨に触れた時、保っていた理性が切れた。
『きゃっ!』
彼女をベッドに押し倒す。
まっすぐに彼女を見つめて、彼女の視界も俺で埋めて、それから名前を口にした。
『沙織』
嫌がられるかと思ったが、彼女は戸惑った表情をしながらも頬を赤く染めた。
自分の都合のいい解釈かもしれない。
でももう、我慢できない。
彼女の白い肌に触れると、俺は止まらなくなった。
『だ、ダメです……園城さん、きっと酔っていて後悔します』
後悔なんて俺がするわけない。
こうしてずっと触れたいと思っていたのだから。