年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
俺は今まで言えなかった気持ちを全て口にした。
『ずっと……こうしたいと思っていた。沙織のことを……もっと知りたいと、何を考えているのか教えてほしい』
その言葉を伝えた時、彼女は泣き出してしまった。
一瞬焦ったが、彼女は喜びの涙だと伝えてくれた。
『……私ももっと知りたいって思って、たから』
ああなんだ、彼女もそんな風に思っていてくれたのか。
もしそうなら、俺はこれから彼女に気持ちを伝えてもいいのか?
これからもっと愛おしいと思っていることを伝えたい。
俺との結婚生活、我慢せず側にいてくれるだけでいいと口にしたい。
キミがいるだけでいい。
俺は大事に大事に彼女を抱いた。
しかし次の日。
目が覚め彼女が必死に布団で身体を隠す姿を見た時冷静になった。
昨日の彼女を欲望のまま、抱いてしまった。
昨日はことは全て覚えている。
恥ずかしそうに必死に声を我慢する姿も、触れる度小さく反応する身体も全部。
でもゆっくり距離を縮めていくはずだったのに、アルコールの勢いで全ての工程をすっ飛ばして身体を合わせてしまった。
もしこれで関係が変わってしまったらどうする?
彼女が俺に不快感を抱き、お互いに気まずくなり、より一層距離があいてしまったらそれこそ俺たちは夫婦としての形を成さないことになる。