年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
昨夜の彼女の言葉を信じて、やはり自分の気持ちを包み隠さず伝えるべきか。
でも彼女はこの結婚を契約結婚だと思ってる。俺を受け入れなければいけないと自分に言い聞かせていただけかもしれない。
俺は考えた。
昨日彼女の名前を呼んだ時、嬉しそうに笑ってくれた。
関係が変わらないようにするのではなく、変えていかないといけない。
俺は、今日帰宅したら昨夜の行為を覚えていたこと、それからこの結婚は契約結婚ではやいことを伝えよう。
そう思って帰宅したその日、彼女から告げられたのは終わりを知らせる言葉だった。
『離婚してください』
彼女の決意を固めた表情を見て、何も言うことが出来なかった。彼女は本気だ。
俺はきっと愛し方を間違えてしまった。
素直な気持ちを彼女から聞き出す前に自分から素直になれば良かった。
カッコつけるのではなく、情けないところを見せられるようにしないといけなかった。
全て反省してももう遅い。
離婚届にサインをすると、彼女は1週間も経たずに新しい家を見つけて家を出ていった。