年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
あのパーティーの日から、1週間が経った。
私はこの1週間、どうしてもあの日のことが頭から離れなかった。
『でも沙織ちゃんに離婚を告げられた時、悟は相当参ってたよ』
こんなに考えてしまうくらいなら、しっかりと聞いておけば良かった。
吹っ切れたはずの気持ちがどうしても心の中に残ってしまう。
決してあの華やかな生活に戻りたいわけじゃないのに……。
私は踏ん切りを付けるためにも、園城さんと離婚したことを父に伝える決意をした。
今までずっと父に知られることも恐れていたのだが、前に進むためにしっかり伝えなくてはいけない。
それから私は父に連絡を取り、明日日曜日父に会いに実家に戻ることにした。
約束の午後3時と少し前。
家から電車で1時間のところにある実家に向かう。
ここは父の会社から15分のところに立つ一軒家だ。
緊張した面持ちでベルを鳴らすと、父は嬉しそうに出迎えてくれた。
「久しぶりだな、沙織。元気にしてたか?」
「うん、まぁ……」
色々あったんだけど……。
どの順番で言うか、しっかり考えないと大変なことになりそうだ。
父がお茶とお菓子を用意してくれてダイニングテーブルのイスに腰掛けると私はピシっと背筋を伸ばした。
さて、どう言おうか。
しかし、先に父が口を開く。
「先日ちょうど園城くんに仕事であったよ」
「えっ」
「沙織は元気か?と伝えたらが元気だと言っていたな。しかしちょっと痩せたように見えるけど、大丈夫なのか?」
やっぱり……。
私も久しぶりに会った時、園城さんが痩せているように見えた。
きっと忙しくて食事の時間が取れていないんだろう。
園城さんは私が言うまで父に話すのを待っていてくれたらしい。