年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
園城さんと私の関係は今は良好であることを父に伝えた。
「ずっと言えなくてごめんなさい……本当は園城財閥との縁が切れたことを悲しむ父さんを見たくなくて言えなかったの」
私が本音を告げると父は優しい顔で言った。
「会社も大事だが、父さんの一番は一生沙織だ。今度もし誰かと一緒になるのなら沙織が幸せになれる結婚を選びなさい」
「はい……」
今までの父の愛情を感じ私は目に涙を滲ませた。
そしてこれからのことも話した。
父からの希望はもし可能だったら、また戻ってきて仕事をしてほしいとのことだったけれど、今働いている会社でも全てを覚えきるところまではやり遂げたくて今は出来ないと断った。
「しかし残念だな……園城くんならきっと沙織を幸せにしてくれると思っていたんだがな」
「どうして?」
「彼の目がまっすぐだったからな。まっすぐに沙織を見てそれから父さんに伝えてきた、沙織さんを愛しぬくと。こんな言葉を堂々と親の前で言うくらいだ。条件だけの結婚ではないんだと思ったよ。でもそれが嘘だったとはな……」