年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~




「この結婚はあくまでも対等であるはずだ」

私はその言葉にぐっと唇を噛みしめた。

何が対等?
そんなもの初めから存在しなかった。

私の気持ちは無視をされ、勝手に結婚を取り付けられた。
待っていた結婚生活は会話もなく、外では仮面夫婦を演じさせられる。

もともと園城財閥とうちとじゃ明らかに身分が違う。

それのどこに対等があるというの。

心の中の不満をぎゅっと押し殺して、笑う。

「反論なんて、何も……」

大嫌いだ。
お義母様もそれから、園城さんも。


「これから友人のパーティがあるから参加してくる」

「では私も……」
「お前はもう、疲れただろう。家に戻っていろ」

その言葉についてくるなと言われたんだと思った。

私は自分の意見も言えない。
いなくても変わらない存在。


「分かり、ました……」

必死に涙を堪えて返事をした。


それから一人で家に帰ると、なんだか虚しくなってドレスを着たまま涙を流した。

「……っ、う」

私はなんのために結婚をしたんだろう。

自分の気持ちを押し殺すため?

無理やり笑顔を作るため?
こんな結婚生活、もう嫌だ。

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