年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
居心地が急に悪くなり、私は言わなくてもいい事を伝えてしまう。
「大丈夫です、園城さんに迷惑をかけるようなことは……」
そこまで言った時、彼は私の言葉を遮るように言った。
「キミを他の男にとられるのが嫌なんだ」
心臓が大きな音を立てて跳ねた。
ひゅっと息をのむ。
「園城さん……?」
「キミが言ったんだ。情けなくてもいい、しっかりと思っていることを言葉にして伝えて欲しいと」
確かに、それは離婚する時に伝えた気がする。でもそれとこれとは話が違う。
私たちの間には愛が無くて、私はそれに寂しさを感じて離婚したはずなのに、他の男にとられたくないなんて……あまりにも勝手だ。
「離婚したのですから、園城さんに拘束される筋合いはありません」
「拘束したいわけじゃない。俺にも……」
俺にも、知る権利があるっていうの?
そこまで共有する必要はないはずだ。
私は強気な眼差しで彼を見る。
「俺にもまだ資格はあるだろうか?」
「えっ?」
想像もしなかった言葉に私は素っ頓狂な声を出してしまった。
資格ってなんの資格?
さっきから園城さんと会話が噛み合ってない気がする。
しかし、彼は堂々と言葉を告げる。
「キミにアプローチをする資格はまだあるだろうか」