年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
それから深夜までぐるぐるとそのことが頭の中を支配していた。
深夜2時。
泣き疲れ食事も取らず、着替えとお風呂だけ入って私は、ぼーっとしているといつの間にかこんな時間になっていた。
園城さんは今日、帰って来るのだろうか。
そんなことを考え出した時、ガチャと玄関が開く音が聞こえた。
帰って来た。
この日は随分遅い帰宅だった。
「おかえりなさい」
いつものように私が彼を出迎えると、園城さんの身体からは強いアルコールの匂いがする。
「園城さん……?」
問いかけても顔を伏せたまま何も反応はない。
酔っているの?
園城さんがこんなになるのは珍しい。
「歩けますか?寝室に行きましょう」
私は園城さんの身体を支えながら、ゆっくり寝室に向かった。
身体はフラフラとしているが、歩けないほどではないようで、私がリードして進むと素直についてくる。しかし、歩いている間も彼は一言も話さなかった。
何があったんだろう。
園城さんの友人はひょうきんな人が多いけれど園城さんは飲めと言われても必ず自分のペースを守っていた。今まで一度だって、アルコールが回って歩けなくなったことはないのに。