年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
首筋に顔を埋めながら彼は静かに付け足す。
「冗談だ。あの時は傷つけてごめん」
「いいんです、もう……誤解だって気づいたから」
温かい身体を寄せ合いながら、彼は軽いキスを身体中に落としてくる。
「ふふっ、くすぐったいです」
園城さんがこんなに甘えてくるなんて知らなかった。
しばらく身体を寄せ合って幸せな気持ちに包まれていると、私の緊張感のないお腹がグーっと鳴った。
「す、すみません……」
「腹が減ったな。何か食べようか」
「そうですね」
「沙織は先に風呂に入ってくるといい。その間に何か買ってくるよ」
「いいんですか?」
その場はお言葉に甘えることにして、私はお風呂場に向かう。
服はここで洗濯して言っていいと言われ、乾くまでの間は園城さんの服を借りることになった。
ザー……。
シャワーを出しながら、私は昨日のことを思い出していた。
園城さんに自分の思いを伝え、そしてもう一度身体を重ねてしまった。
もちろん適当な気持ちではないし、覚悟は出来ているけれど具体的にどうするかとかは何も話していない。