年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


冷え切ったダイニングルームに暖かさが灯ったみたいだ。

「はじめてですね、ここでこうして一緒に食事するの……」

向き合って食事をする、たったそれだけのことで嬉しいと感じてしまう。

「そうだな」

園城さんは丁寧にパンをちぎりながら、何かを考えいるような面持ちでパンを口へと運んだ。

「寂しい思いをさせたんだと、一人になってようやく気がついた」

彼は呟くように続けた。

「キミに負担のない生活を送って欲しいと思ってのことだったが、それがキミを苦しめているとは思わなかった。すまなかったな」

「いえ……」

園城さんを責めたいわけじゃない。
私だって自分の思っていることを伝えることなく離婚を決断してしまった。

もっとやれることはたくさんあったはずだ。

「あの、これからのことなんですけど……」

私がそう話を切り出した時、園城さんはバツが悪そうに顔をあげた。

「そのことなんだが……キミに言わないといけないことがある」

「えっ」

なんだろう。このタイミングで?
不安が頭をよぎる。

昨日のこと無かったことにしてほしいとか言わないよね。


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