年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
「ただキミの意見を尊重したい。キミが一度、結婚生活をリセットしたいというなら、希望に答える。まだ様子を見たいというのなら、それでもいい。ただ俺は今後、キミが拒否しない限り気持ちを伝え続けるつもりだ」
真っ直ぐに私を見据えて伝えてくれる。
真剣な言葉に、大きな愛を感じて私は思わず嬉しくなった。
私もしっかりと自分の思っていることを伝えなくてはいけない。
父の会社のためじゃなくて、契約結婚じゃなくて、今度は自分の意思で決めるんだ。
「私は……」
未来のこと、考えるのは少し怖さもある。
でも今の私たちなら大丈夫。
「もう一度、園城さんと共に歩んでいきたいです」
そっと告げた言葉に彼はほっとしたような笑顔を浮かべた。
「じゃあ破いてもいいか?」
「はい」
彼は離婚届を手にすると、私に確認を取ってからそれを破いた。
「これで離婚した事実は無かったことになる。でも……俺は全てをやり直すつもりだ」
そんなことを言うと、園城さんは私に送ったダイヤの指輪を手に持ち、破いた離婚届けと共にゴミ箱に捨ててしまった。
「そ、それは……」