年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
怖くなって小さく俯く。
彼はハッキリと言い放った。
「俺は何があっても沙織の味方だ。彼女を支えていくと決めた、何があってもだ。それを脅かす存在がいるのであれば、例え母さんでも容赦はしない」
「なっ……!」
お義母さんは悟さんの言葉に口を開けたまま固まった。
「な、なんでそんな……」
プルプルと震えながら悟さんを見るお義母さん。
「人を蹴落とすようなくだらないことはやめてくれ。今後もやるというのであれば、もう一生会わないつもりだ」
「会わないって私たちは家族よ!」
「俺と沙織も家族だ」
お義母さんは何も言えなくなり、唇を噛みしめていた。
「こんな状態じゃ楽しい食事会には出来ない。今日は失礼する。行くぞ、沙織」
「えっ、え」
動揺する私をゆっくりと立たせると、手を取りそのまま会場を出て行った。
出入り口までエスコートしてくれる悟さん。
でも本当に帰ってしまっていいのか不安で、私は振り返った。
「気にするな、少し頭を冷やしてもらおう」
ホテルを出た後、悟さんは静かな落ちつく声で言った。
「やはり迷惑を掛けたな」
「いえ……私は大丈夫ですから」