年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
正直、前ほど心が痛むことは無かった。
何か言ってくるだろうと想像は出来ていたし、ハッキリ自分の思いを伝えられたのもそうだが、悟さんが側にいてくれると信じていたから。
それよりも私と悟さんはもう家族。
悟さんは何があっても私を守ると言ってくれた、その言葉が嬉しくて……。
「沙織、今まですまなかった」
そんなことを思っていると、園城さんは突然私に向かって深く頭を下げた。
「さ、悟さん……!頭をあげてください!」
私が慌てて止めるが、彼は下を向いたまま私に伝えた。
「前の結婚の時、この結婚に身分はないと言った。でも……沙織がそう思えるような環境に俺は出来ていなかった。きっとすごく苦しめただろう」
私は首をふる。
確かに苦しかった。
でも1度目の結婚の時、私が悟さんと結婚すると決意したのも出資をしてもらえるからだった。
だからこれは自分の問題だ。
「今はもう違うって分かっているから大丈夫です。それに……お義母様にも言い返せるようになったし……」