年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


それから1カ月が経った。
悟さんとの生活にはだいぶ慣れてきて、この部屋で過ごすことに寂しさを感じなくなった。
もちろん彼からの愛も……。

「悟さん、いってらっしゃい」

仕事に行く前、私が玄関でそう声をかけると悟さんは寂しそうに眉を下げて見せる。

「どうしたんですか?」
「今日はキスしてくれないのか?昨日だって帰ってきた時しかしてくれなかった」

拗ねたような口調でそんなことを言ってくる悟さん。
今は悟さんの愛の方が強かったりして……。

「もう……仕方ないですね」

そんなことを口走りながらも嬉しく思ってしまう自分がいる。
そっと背伸びをして悟さんに口付け「いってらっしゃい」と声を掛けると彼は満足そうな顔で出て行った。

昔はパタンと閉まるドアの音に寂しさを感じていたけれど、今は悟さんが帰ってくるのを楽しみに待つ気持ちの方が強い。

仕事も上手くいっていて大きな仕事を任せられるようになったり、チャレンジしたことのない分野にも挑戦したりして、毎日が生き生きと過ごせていると実感してる。


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