年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


私は頷く代わりにしっかりと彼の方をみる。

「一度は愛し方を間違えて、キミを傷つけてしまった」

私たちはお互いに勘違いをして、すれ違い離婚に至ってしまった。
もっと話しておけば、素直に伝えておけばと思うことはたくさんあった。

「でも間違えたからこそ気づけたことがたくさんあった」

まっすぐに私を見つめる目は真剣で、この人に付いていけば大丈夫なのだと思わせてくれるようだった。

大きな愛がずっと目の前にあったこと。
それを気づけずにいたこと、今ではもういい思い出だ。

「これから沙織を一生愛し続ける。
沙織の笑顔も、それから喜ぶ姿も、そして怒った顔も、俺が守り続けると誓うよ」

悟さんの言葉に視界がじわりと滲む。
今まで何をしても返って来なかった言葉や行動。
寂しさばかりが心を支配して、悟さんといることが苦しくなった。

でも今は違う。
十分すぎるくらい表現してくれて、愛をたくさん感じることが出来て幸せでいっぱいにしてくれた。
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