年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
入院から2日が経った。
病院では寝ているか、外に散歩に行くことくらいしか出来ず、退屈な日を過ごした。
時間があると人は不安になるようで、ちゃんと就職出来るかなとか、これから先の心配をして、すっかり1日目の自信は無くなってしまった。
この日も看護師さんは慌ただしく動いている。
私は軽い怪我なので、担当の看護師さんが頻繁に様子を見ることはない。
せいぜいリハビリに呼ばれる時くらいだ。
2日目となると、だんだん足の動かせない自分にも慣れてきた。
「よいしょっと」
私は甘いものが飲みたくなり、松葉杖を付きながら、この階にある自動販売機コーナーに向かった。
一番奥の少し隠れたところにある自動販売機。
ここが一番種類が多いのでお気に入りだ。
「じゃあまた頼んだよ」
「はい、では今後ともよろしくお願いします」
丁寧な声が聞こえてきてなんとなく覗いて見ると、スーツを着た人が頭を下げていた。
営業かな?
そういえば園城さんの会社も病院と取引があるって言ってたな……。
病院ってやっぱり色んな会社と繋がってるんだなあ。