年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
私も最初は反対していたのだけれど、父と母が今まで守り続けてきた会社が無くなるのは嫌だったし、今まで男手一つで私を育ててくれた、この恩を返すとしたら、ここなのかもしれないと思って条件を飲んだ。
父も娘が嫁いでくれた方が安心するだろう。
園城財閥の条件を承諾した日から縁談は静かに進んでいき、そして園城さんと結婚することになった。
誰もが羨むイケメン御曹司との結婚。だけど私の心を支配しているのは虚しさだけだ。
園城さんは好きにしていいと言ってくれたが、私は御曹司の妻として夫を支えるため専業主婦になる決断をした。
しかし、専業主婦として家にいるが、家事だけをして、彼が帰ってきてもほとんど会話することなく一日が終わる。これじゃあ家政婦と同じだ。私が思い描いていた結婚とは遠い結婚生活。
園城さんはどうして私を選んだんだろう。きっと彼なら選び放題だっただろうに。
小さな顔にアーモンド色の綺麗な二重の目。スッキリ通った鼻筋に薄い唇。
そしてスマートな話し方に財力も持ち合わせていて、彼がモテないわけがないのだ。
園城さんはきっと結婚には元々興味が無かったのだろう。体裁を気にして、結婚相手を探し、出来るだけ自分に口出しをしない相手を選んだのだと思う。
だから私はその期待に応えるのだ。