年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
それから私たちは、現在の共有をした。
離婚届けはまだ出せていないらしく、明日には提出する予定だという。私たちが離婚したことを園城さんも、まだ誰にも伝えていない。
私は時を見て父に伝え、園城さんも大きな仕事のプロジェクトが終わり次第伝えるとのこと。
ってことは、私たちが離婚したことは私たち以外誰も知らないってことか……。
「慌ただしくてなかなか進められなくてすまない」
「いえ、突然言った私が悪いですし……私も入院してバタバタしてたので、まだ父には言ってないですし」
ゆっくり進めていく。
私は別にそれでいい。
「離婚したことを伝えていなかったなら、入院生活は大変だったんじゃないか?」
「まぁ……でももうすっかり治りましたし、ひとりぼっちだったけど、部屋に誰かがお花を添えてくれたんです。散々だったけど、こういう嬉しいこともありましたしね」
「そうか。喜んでもらえたようで何よりだ」
園城さんの言葉を聞いて私は勢いよく顔をあげた。
「えっ」
あのお花ってまさか……。
「園城さんが?」
「何もしないのはどうかと思ってな。でもキミの喜ぶものが分からなくて……花にしたんだ」