年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
朋絵の幼馴染か……どんな人なんだろう。会ってみるっていうのも行動の一つだよね。
「啓志、後20分くらいで仕事終わるから来れるって」
フットワーク軽いなぁ……。
朋絵の幼馴染の彼は朝日啓志さんというらしく製薬会社の営業マンで、この近くの会社で働いているらしい。
歳は私と同じ26歳。
気さくで優しくまっすぐな性格らしい。
ひと通り彼の情報を聞いていると、そのうちにお店のドアが開いた。
「来た来た、こっち~!」
朋絵が手をあげると、スーツ姿に黒いカバンを持ってやってくる。朋絵の言っていた通り、目元が柔らかく優しそうな雰囲気の人だった。
「朝日啓志といいます、よろしくお願いします」
深々と頭をさげる朝日さんに私も思わず立ち上がって挨拶をした。
「あ、私は沙織といいます」
「ちょっと二人とも固すぎ」
「あはは、緊張するよね!初めましてだもん」
最初こそ緊張したものの、朋絵が間に入ってくれたこともあってか、だんだん打ち解けて、話しやすくなっていった。
「ふふ、朋絵ってそういうところあるから」
「本当にそうなんだよ~沙織ちゃん分かってるね」