年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
私のこと、教えてくださいって書いてある。メッセージを見て少しだけときめいた。
自分のことを知りたいと言ってくれる人は初めてだったから。
恋愛経験は決して多くはない。大学時代もサークルの先輩と2年ほど付き合って、先輩が就職してから、すれ違いが増えて別れを切り出されてしまった。
それからは私も父の会社の経理を務め、箱の中。当然出会いなんて無かった。
青春を取り返しているようなキラキラした感情になるけれど、私はバツイチ。きっと次の恋愛のハードルも高いんだろうなぁ……。
【ぜひまた一緒にお食事しましょう】
そんなことを考えながら、返事を返してスマホをダイニングテーブルに置いた。
こういうのを繰り返していって、相手のことを好きになったりするのかな?
今度はちゃんと恋愛して、幸せな結婚が出来るんだろうか。
私を求めてくれる幸せな結婚を──。
それから朝日くんとのやり取りは続き、今度の日曜日に二人で映画を見に行くことになった。
朋絵に報告をすると、嬉しそうに「進展あったら教えて」と返事が返ってきた。