年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


私のこと、教えてくださいって書いてある。メッセージを見て少しだけときめいた。

自分のことを知りたいと言ってくれる人は初めてだったから。

恋愛経験は決して多くはない。大学時代もサークルの先輩と2年ほど付き合って、先輩が就職してから、すれ違いが増えて別れを切り出されてしまった。

それからは私も父の会社の経理を務め、箱の中。当然出会いなんて無かった。

青春を取り返しているようなキラキラした感情になるけれど、私はバツイチ。きっと次の恋愛のハードルも高いんだろうなぁ……。

【ぜひまた一緒にお食事しましょう】

そんなことを考えながら、返事を返してスマホをダイニングテーブルに置いた。

こういうのを繰り返していって、相手のことを好きになったりするのかな?

今度はちゃんと恋愛して、幸せな結婚が出来るんだろうか。

私を求めてくれる幸せな結婚を──。

それから朝日くんとのやり取りは続き、今度の日曜日に二人で映画を見に行くことになった。

朋絵に報告をすると、嬉しそうに「進展あったら教えて」と返事が返ってきた。






< 57 / 224 >

この作品をシェア

pagetop