年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
2週間が経った11月下旬の土曜日。
寒さが本格化してきて、薄手のコートもそろそろ替え時になってきた。
朝日くんとは連絡を取り合っているが、お互いの予定が合わなかったりしてあれ以来は会っていない。
離婚の話もまだ父に話しておらず、未だに状況は変わらずだ。
「早く言わないと……」
連絡をしようとするたび億劫になって言えないでいる。
父は離婚したことを聞いたら何て言うだろう。
支援は続いているとはいえ、父の会社にとって園城財閥が離れることは痛手でしかない。
離婚を取り消せ!なんて言われたらショックで親子関係すら崩れてしまいそうで怖い。
とはいえいつまでもこの状態でいいわけないんだけど……。
ため息を漏らすと、突然テーブルの上のスマホが振動した。
いつもより長いバイブ音。
着信だった。
そして、ディスプレイに表示されたのは【園城悟】文字。
園城さん!?
何で!?
急に身体に緊張感が走る。
何の電話だろう。
一瞬出るか迷ったが、大事なことだったら困るので、私は数回深呼吸をしてから通話ボタンを押した。