年の差契約婚～お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません～

どうして庇ってくれたんだろう。
隣にいる彼に視線をやると、園城さんの肩が小さく震えている。

「……っ、く、く」

彼は笑っていた。

「な、なんで笑ってるんですか！？」

「ああ、いや……威勢のいいキミが面白くて」

「笑わないでくださいよ……！」

「いや、失礼。でもそうか……キミはあんな風に感情を出すんだな」

優しく愛らしさを込めた眼差しで見つめられ、私は戸惑ったように目を逸らした。

「怒らないんですか？」

「いや。むしろいいなと思った。だが笑うのは失礼だな、ずっとキミには我慢させていたんだと、今気づいた。すまなかった」

園城さんの言葉がすっと心の中に入っていく。

私が今まで彼の前で思っていることを伝えたことがあっただろうか。
どうせ園城さんは私に興味が無いんだと諦めていた。

でも、今日私の吐き出した感情を園城さんは受け止めてくれた。


見ようとしていなかったのは、園城さんだけじゃない。

私の方かもしれない──。