年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
婚約パーティーが始まり、私達は前の方のテーブルについた。
晴山財閥の御曹司、晴山拓也さんと妻になる汐音さんは、学生時代に出会い、恋愛の末結婚したらしい。
汐音さんも拓也さんの話しを微笑みながら聞いていた。時折相手の顔を見てニコリと笑ったり、照れたように顔を赤らめたり、見る人が微笑ましく思うくらい、2人は幸せそうだった。
また二ヶ月後に行われる結婚式には、これより多くの人が参加することになる。
私達の場合は婚約パーティーだけして、結婚式はしなかったのよね……。
私たちは契約結婚であったし、どう考えても園城さんと釣り合っていない私が、派手な結婚式を挙げて、多くの人に見てもらうのは、耐えられなかったからだ。
園城さんに私の気持ちを伝えると、私の希望を聞いて、式は無しにしてくれた。
でも結婚することを報告する婚約パーティーは、財閥の都合上開かないといけないみたいで、そこは私も承諾した。
とはいえ幸せっぷりを見せるようなものは一切無く、淡々と事実を報告する場となった。
式を開かないことに、当然お義母さんは大激怒。園城財閥のめでたい事を盛大にやらないのはおかしいと怒って家まで駆けつけてきた。