年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


それから寂しさを残したまま、私は自宅に帰り、園城さんに貰ったROYAL Chelseaの洋ナシタルトを食べた。

ほんのり酸味がある洋ナシとサクサクとした生地のタルトが良く合っていて人気に火が付く理由が分かった。

こんな時、美味しいねと分かち合える相手もいないのですぐに箱を閉じ、冷蔵庫に閉まった。

「美味しかった……」

まだ2つ残っているので、残りは明日食べよう。
私は自宅でテレビを付けて寛ぎながら今日のことを思い返していた。

園城さんの本当の気持ちを初めて聞いて正直困惑した。

私にちっとも興味の無いと思っていたはずの園城さんが実は不器用なだけだったなんて。

彼が紡ぐ言葉に嘘は無く、私の知らないところで彼なりに私のことを考えてくれたんだと思った。

気づかなかった。
もし離婚する前に気づいていたら、私はどうしただろう。

幸せな結婚生活を送れていた?

考えても仕方ないのに考えてしまう。

目をつぶると浮かんでくるのは園城さんの顔ばかり。

それはさっきまで一緒にいたから、だよね?


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