年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
吉野の言うようにそれが恋だと認めたとしても俺には許嫁がいる。決められた人生を送らなくてはいけない。それに、もう会うこともない人物。そう考えたら忘れる方が早いと思った。
「あのさ、人生の伴侶くらい自分で選んだら?」
俺は吉野の厳しい言葉に目を向けた。
「会社は潰れる可能性もある。そうすれば金も無くなり人も離れていく。
でも自分で選んだ人、歩み寄って関係を築いた人間なら何かを失っても側にいてくれる。
俺は自由に生きてるが、将来の伴侶こそ自分の目で見つけたい」
吉野の的を得た答えに俺は黙り込んだ。
これから先、一生を共にするパートナー。辛く苦しい時も支え合い、無条件に側にいてくれる。そんな相手が彼女だったら嬉しいと思った。
親が決めた相手でいいなんて、間違っていた。自分が側にいたい人間は自分で決める。
「それもそうだな……」