クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 甲板の柵にもたれ、水平線に向かってつぶやく。

「このままだと好きになる気がする……」

 透哉さんの事はもともと魅力的な男性だと思っている。

 会社の命運を左右できる力を持った怖い人というイメージは、この旅行で少しずつ変わってきていた。

 彼が私をどう思っているかわからないけれど、本当に好意を抱かれている気がする。

 そうでなければ、あの夜以降ベッドの上でのひと時が解禁されるはずがない。

 激しく求められたのは最初だけで、控えめに求められた二度目以降は蕩けるほど優しい。

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