クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 なぜ拒めなかったのかというと、初めての夜が素敵すぎて忘れられなかったせいだ。もう一度あんなふうに愛されたいと思って応えたら、まさかそれよりもっと甘く愛されるなんて思わなかった。

 これでは、契約結婚の夫婦だと言えない。本物の夫婦より夫婦だ。

 でもこれでいいのかも? 契約していても結婚は結婚なのだから、寄り添って暮らせばいいのでは?

 だけど距離を縮めれば縮めるほど、一年後の別れがつらくなるに決まっている。

「本当にどうしよ」

 スマホを取り出し、連絡先を見流した。

 設備が整った豪華客船なだけあって、海の上でも電波が届く。

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