クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
『えー? なに、どうしたの? 相談なら聞くよー。ちょうど仕事終わったとこだし』

 そう聞いてから、時差がある事を思い出した。

「じゃあちょっと聞いてくれる? 信じられない話だと思うけど……」

 今日までにあった出来事を簡潔にまとめ、透哉さんの名前は伏せて全部若菜に話す。

 結婚が契約だという話は両親にもしていなかったから、ようやくすべて吐き出せて肩の力が抜けた。

『嘘でしょ、契約結婚ってドラマの話じゃないの? っていうかイギリスってなに? そんなおもしろい話、なんでずっと黙ってたの!』

 怒涛の勢いにふっと笑いが漏れた。

「話すタイミングなかったんだもん」

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