クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
『まあそれだけいろいろあっちゃね……。で、それ話すために電話したの? 違うでしょ?』

 さすが、付き合いが長いだけあって話が早い。

 すっかり気が緩んだのもあり、若菜に自分の本心を明かす。

「その人の事、このままじゃ好きになりそうなの。一年は一緒にいるって言っても、やっぱり距離は取っておいたほうがいいよね?」

『ええ? 好きなのに?』

「まだ好きじゃないよ」

『あのねえ、こんな事を言い出すのはもう好きだからだよ。認めな?』

 不思議と若菜の言葉が胸に突き刺さった。

 私が透哉さんを好き? 確信が持てるほどの時間を過ごしていないのに。

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