クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「簡単に言ってくれるなぁ」

 でも私は、若菜のこういう前向きさが好きだった。

 受験で悩んでいた時も同じように私の背中を押してくれたし、就活がうまくいかなかった時もたくさん勇気と元気をくれた。

『簡単だよ。だって七海に好きって言われて、断る人なんかいないでしょ。そこで断るような男なら、一年経つ前に私が縁切ってあげる』

「急に物騒になったね」

『うちの七海はやらーん! って言いに行くから任せて』

 若菜につられて微笑する。

 やっぱり若菜に連絡してよかった。なんでもっと早く電話しなかったんだろう。

「ありがとう、若菜。おかげでちょっと元気出た」

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