クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
『ぜーんぜん。久し振りに話せて楽しかったよ。それじゃね』

 電話を切ってスマホをしまい、ふーっと大きく息を吐く。

 悩みが消えたわけではないけれど、若菜を見習ってもう少し気楽に考えてもいいんじゃないだろうか。

 ……まだ本当に好きか決まったわけじゃないし。

 自分の胸の内でつぶやくも、これに関してはあんまり自信がない。

 透哉さんは素敵な人だ。さりげない気遣いや、私への優しさが素っ気ない言動の端々から見て取れて、一度気付くといくつも目に入るようになる。

< 116 / 250 >

この作品をシェア

pagetop