クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「さあ……。あまり仕事には干渉しない事にしているんです」

 コンサルタントだと知っているけれど、会ったばかりの人に話す必要はないと思う。

 他愛ない雑談だと思いつつも、さっきの『運命の出会い』発言が私の心に壁を作っていた。

「へえ、いかにもセレブの奥様って感じですね」

「そうですか?」

 また冗談っぽく言われるも、いまいちしっくりこない。

 セレブはパートナーの仕事に干渉しないものなのだろうか?

「そういえば今回の航海では、いつも使用されていないクリスタルスイートの部屋が埋まっているとか。いったいいくらの部屋なんでしょうね」

 思わずぎくりとした。顔に動揺が出たかもしれない。
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