クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「やっぱりいいお値段なんじゃないでしょうか。ほかのお部屋も相当なんでしょう?」
噂になるような部屋に泊まっていると特定されたくなくて、話を逸らそうとする。
「ええ、僕の部屋は一番安いんですけどね。それでも一泊十万はしますよ。普通のスイートが一泊百万くらいするそうですし、クリスタルスイートはそれ以上なんだろうなぁ」
つう、と冷や汗が背中を伝っていく。
透哉さんはそんなとんでもない部屋を当然のように使っているのか。
確かに部屋へ案内された時に金額を教えられていたら、床を踏むどころかスリッパされ履けなくなりそうだ。