クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 大胆すぎたかな。遠慮がなさすぎたかな。今まで普通にやり取りをしていたのに、急にこんな事をしたら困らせるかな。

 はぐれていた時とは違う不安が込み上げるも、透哉さんはやや戸惑った様子を見せながらも、私の手を握り返してくれた。

 大聖堂へ向かう階段の前で握った時とは違うように感じるのは、先ほどは私の身体を支えるという理由があったのに、今はないからだろう。

「……こう、でいいのか?」

「うん。前から思ってたんだけど、透哉さんって手が大きいよね」

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