クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 手を繋いでくれてうれしい。透哉さんもちょっと恥ずかしそうにしているのがうれしい。指を絡めてくれるところも、歩き出すと歩幅を合わせてくれるところも、全部うれしくて──好きだ。

 ──私、透哉さんが好きだ。

 ベッドの上で過ごしている時間のほうがよほど濃厚で深く繋がっているはずだけど、今は身体だけでなく心まで繋がっているように感じて、空も飛べそうな気持ちになる。

 でも、彼に恋をした事を認めても、その想いを口に出す気にはなれなかった。

『好きって伝えて、結婚生活が一年で終わらないようにする!』

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