クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 若菜の迷いのない言葉は私の背中を押してくれたけれど、実行できるかというとまた別の話になってくる。

 もしも結婚生活の延長を透哉さんが望まなかったら?

 彼は私をよく気遣ってくれるから、無理に応えるかもしれない。だけど私はそんないびつな夫婦生活を望んでいなかった。

 となると私にできる事は、この気持ちを封印し続けるか、または彼の気持ちを私に惹きつけるかの二択だ。

 ……私なんかで、彼の気を惹ける? もし嫌がられたらどうしよう。想いを伝えても断られたら、一年の期間ですら一緒にいられなくなるかもしれない。

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