クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 どこまでも広がる空と海。白い建物はこうやって見ると塩の塊のようだ。

 ビーチから見た景色とは似ているようで全然違っていて、場所が変わるだけでこんなにも差異が出るものなのかと驚いた。

「すごいね」

 なにがどうきれいだとか、頭の中は忙しいくらいたくさんの褒め言葉を並べているのに、口から出た言葉はたったひと言だった。

「そうだな」

 透哉さんの返答は相変わらず短い。

「ナポリで見た海と全然違う。地中海ってくくりなら同じはずなのに不思議……」

「さすがにまとめ方が大雑把すぎないか」

「海なら大体一緒じゃない? あ、それなら日本海も一緒になっちゃうか」

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