クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 こんなに好意を感じるのだから大丈夫だという思いと、期待しすぎると予想に反した返答だった場合のダメージが大きいのではという思いで悶々とする。

 もっと恋愛に慣れていたら、さっさと気持ちを伝えられていた?

 始まらない恋を恐れて踏み出せない、なんて事にはならなかったのかな?

 誰か私の背中を思い切り押してほしい。百パーセントの確信が持てなくても一歩を踏み出すべきだと、頭では嫌になるほど理解しているのに……。



 透哉さんの仕事を邪魔しないよう、一人でイベントが行われるエリアへ向かった私は、目的地へたどり着けずに似たような景色の中をさまよっていた。

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