クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました

　私が勤める株式会社METACOLORの社長とは従兄弟の関係にあるらしく、なにかと顔を見る機会もあったのだけど、まさか結婚なんて提案をされるとは。

「ええと……すみません。一度、頭を整理してもいいですか？」

「もちろんだ。すぐに決められる事でもないだろう。ゆっくり考えてくれ」

　……と言われても、私にあまり選択肢はない。

　まず、どうして私が雲の上の存在にも等しい氷室社長と二人きりで会っているのかというと、彼の従兄弟である音羽(おとわ)社長に紹介されたからだ。

　なぜそうなったのかを話すとさらに長くなる。