クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 私が外へ出た通路は、以前甲板に出た時の通路と違っているけれど、遊ぶエリアに比べて控えめな広さをしているここなら、すぐに見覚えのある場所を見つけられるはず……。

 と思った時、軽食を販売しているスタンドのほうで話し声が聞こえた。

 ちょうどよかった。クルーがいるならイベントが行われる場所を聞けばいい。

 もっと早くそうすればよかったのに考えが至らなかったのは、やっぱり透哉さんの事を考えていたせいか。

 自分自身に苦笑しながら、スタンドのほうへ向かう。

「──じゃあ後は予定通りってわけだ。お前がいてくれるおかげで助かるよ」

「契約を忘れてないよな? 成功したら報酬は……」

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