クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「わかってるわかってる。仲間にだってちゃんと話はついてるからさ」

 どうやら会話をしている二人の男性は私に気付いていないようだ。

 ちょうど私のいる位置が、彼らから見ると柱の陰になっていて見えないからかもしれない。

 そういえば聞こえている言語は日本語だ。片方の言葉は少したどたどしい。

 会話の邪魔をしないほうがいいだろうか?

 ……というより、どういう会話なんだろう。イベントに関係する事?

 声をかけるタイミングを見失っていると。

「そういえば例の部屋はどうなってるんだ?」

 例の部屋?

 妙に引っかかる言い方が気になって足を止める。

「ああ、オーナーの?」

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