クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
『そうだな。引き続き何事もなかったように振る舞ってくれ。犯人から連絡があり次第、すぐに俺へ繋げ』

『承知いたしました』

 そうして俺は今、やきもきしながら続報を待っている。

 ソファに座ったり、立ち上がって室内を歩いたり、落ち着かずにひたすら七海の無事を願った。

 ……数年がかりで内部に侵入するような犯人だ。もしかしたらオーナーの俺が船に乗ると聞いて犯行に及んだのかもしれない。

 そうでないとしても、七海が誘拐されたのは俺の妻だからだ。

 もしも彼女になにかあったら、どう償えばいい。今でさえ、恐ろしい思いをしているだろうに、俺は安全な場所で進展を待つ事しかできない。

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