クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
なにも知らずに豪華客船での贅沢な時間を楽しむ人々の間を抜け、関係者以外立ち入り禁止の通路に足を踏み入れる。
奥の船室で待っていたオフィサーたちは、俺が来るのをわかっていたように硬い顔つきをしていた。
「犯人との通信は聞いていただろう。沿岸警備隊からはなにか言われているか?」
自分でもぞっとするぐらい冷たく、きつい声になった。
先ほど、俺のもとへ報告に来たオフィサーが前へ出て説明を始める。
これからの動きについて尋ねながら、心の中で強く思った。
──必ず助け出す。この命に代えても。
◇ ◇ ◇